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パリのネクタイメーカー『ドミニック・フランス』は1939年、ピエール・シャロン街58番地に創立されました。
創業者のルネ・ブランドーはその人生をまさにネクタイ一筋に生きた人でした。
1902年生まれのパリジャン、ルネ・ブランドーは、15歳でシャツメーカーに入社、22歳の時にシャツとネクタイで名高いアメリカのスルカ社パリ支店に移り、ネクタイ生地の仕入れを担当しました。
10年後独立する頃には、スルカ社のブランドーとして業界に名が通る程ネクタイ生地のエキスパートになっていました。
このような事情から自分のブティックを持つにあたり、道義上の問題を考慮してブランドー以外の商標として考えたのが『ドミニック』でした。
元来、聖人の名であるドミニックは、男性、女性両方に用いられるポピュラーな名前であり、親しみやすく耳への響きも良いことからこのネーミングが選ばれました。
それに、フランス製品であることを端的に示す『フランス』を合わせて『ドミニック・フランス』というブランドネームが誕生します。
ルネ・ブランドーは、ネクタイを製作するにあたり、素材のシルク糸選びから、リヨンの専属工場での織りデザイン、裁断、そして縫製まで全ての工程を自ら手がけました。
生地は普通の絹の3倍近い密度を持つヘビーシルク。35メートルしか織らせず、しかも正バイヤスに裁断するため同じ色柄の物は140本しか製作されません。
織り柄が主体ですが、打ち込みが良く、シンもあって、大変丈夫でしなやか、あわせてしわになりにくいという優れた特性を持っています。
したがって価格も最高ランクに属しますが、オーソドックスなデザイン、フランスらしいシックな色合いは流行に左右されることがなく、長い目で見れば経済性も高いと言えます。
1984年、紳士服地を手がけるようになり、英国、イタリー等の老舗のメーカーで織られております。
輝かしい伝統の重みにとどまらず、常に新たな挑戦で時代を超えたスタイルを創り上げていく精神を基に現在に至っています。
1987年、ルネ・ブランドーが故人となってからも、彼が生前に育てた後継者たちによってオリジナリティーを大切にする哲学と『ドミニック・フランス』のブランドは守り続けられ、紳士服地はさらに広がりのある活躍をしています。